概要
仮想通貨マーケットの動きを一週間まとめて振り返っています。BTCだけでなくマーケット全般を見るため、Bloombergインデックス等を見ていきます。仮想通貨だけでなく主要金融市場についても振り返ります。
加えて、簡単なニュースの動きなどをつけていきます。最新のものはツイッターアカウントで更新しているので、こちらのツイッターや#仮想通貨インデックスのタグをご覧ください。
前回の記事はこちら!
各種インデックスの動き
(主要インデックス、2019.3.1末時点)
2019年に入ってからの世界的な金融引締めから金融緩和への政策転換ムードは続く。Fedもスタンスを変えず。マクロ指標としては米国の実質GDP成長率は2%を安定的に上回るなか、米中通商交渉の進展や米朝交渉、空爆報道など政治ニュースに一喜一憂する動き。ドル高が目立つ。
VIX(ボラティリティインデックス)は空爆報道等のタイミングで一時上昇するも、引き続き13台へ。
仮想通貨はイーサリアムのアップデートを終え、一般向けの材料が乏しくなったなか下落。
- 仮想通貨は2月後半の上げを失い、年末の水準へ。
- 債券は売られる。フラットなカーブ続く。(2−5年が逆イールド一時解消も)
- 株は米中交渉の進展期待とGDPでやや上昇。
- インドのパキスタン空爆に反応してVIXは一時上昇も、13台に戻る。
- 金はドル高のタイミングでトレンドを失い低下。
- トランプ大統領が原油は高すぎると発言して下落(ナニソレ)
主なマーケットの出来事
主要な動きを箇条書きにします。詳しくはツイッターのツリーでニュースをぶら下げてあるのが読めますので、ご参照ください。
金融市場のニュース
(SP500の動き)
- 2.25 トランプ大統領、対中関税の引き上げ延期を正式表明。中国株高騰
- 2.25 トランプ大統領、原油が高すぎると公言。原油価格下落
- 2.26 インド軍、パキスタン国境付近を空爆
- 2.26 FRBパウエル議長、上院銀行委員会の証言で利上げ見送り姿勢を改めて強調
- 2.27 トランプ大統領元個人弁護士、氏がかつて融資獲得目的に発表した資産額に虚偽があると証言
- 2.28 10-12月の米国GDP成長率は前期比年率+2.6%(予想+2.2%)
- 2.28 MSCIインデックスで中国株比率の引き上げを発表
もしもし、SECさん??
相場操縦の疑いがあるやつが一人おるんですが…
えっ知ってる?そう……。
仮想通貨市場のニュース
(TradingView Total指数の動き)
- 2.25 Coinbase ProにXRPが上場
- 2.26 BinanceのFETトークンセール即完売。その後高騰
- 2.26 bitflyer 証拠金倍率を最大4倍に変更すると発表(4/22の新規発注から。6月下旬より、全取引が対象)
- 3.1 CoinbaseにもXRP上場
- 3.1 Ethereumのアップデート実施
進むドル高円安
株価がレンジで行って来いなので、マーケット的にはこれが一番インパクトあったね。
なんで上がったの??
為替は説明するの一番難しいんだよね…
基本的には上のチャートの通り、株価(SP500インデックス)と方向感同じで動いてる。
その上でタイミングとしては日米の金利差の変化で説明できる部分が大きい。今はイールドがどちらもフラットでわかりにくいところがあるけれど、長期債の売り買いタイミングに連動しているように見えるね。
さっぱりわからん!!
順を追うと、
- 為替レートの変化を決定づけるのは「通貨間の金利差の変動」
- 通貨の金利は「国債の金利」と密接に関係する
- 国債の金利は「国債の売買」で変動する
- 国債は株などリスク資産からの「逃避先として売買される」
みたいな繋がりだね。もちろんこれだけじゃなく、中央銀行の国債保有政策の影響も大きいんだけれど、この年末からの動きは「リスクオンのドル上げ」と教科書的に説明できる部分も多いと思うよ。
足元の市場について、詳しくはこの辺のレポートを参照ください。
https://www.bk.mufg.jp/report/whatsnew/Monthly19030.pdf
為替レートの基本的な考え方についてはこちらを参照ください。
https://www.nli-research.co.jp/files/topics/35081_ext_18_0.pdf
丸投げか????
オイ。
下手に簡略化しすぎると誤解を産むし、こんなもんで納めないと収集つかないから…
為替の話って検索するとチャート云々とかテクニカルばかり出てしまうけれど、上のレポートに出てくる単語を検索すると、少しは地に足のついた基本が学べると思います。(その上で、現実との乖離を確認するんだけど)
Coinbaseにリップル(XRP)上場
おう、触れるのかこの話題に。
おれらがリップラーの。
(そのくだり前回やったな)
これは触れないとおかしいもんね。XRPが現在の仮想通貨マーケットに与えるインパクトはあるもの。
ただどちらかというと、個人的な興味はXRPというよりもCoinbaseの上場ルールにあります。その方が今後の投資に活かせそうだからね。
上場ルール??
そんなんあるんか。
仮想通貨の感覚だとそう思うよね。中央集権じゃないのがいいところだし。
でも既存の金融インフラ会社の感覚としては、当然のようにルールが求められるんです。簡単にいうと、東京証券取引所に上場ルールがなくて、担当者の気分で上場会社決められても困るし。
そんなんやったらめっちゃ悪い人出てくるじゃん。マーケットそのものが外部から見て信用されなくなっちゃう。
ペーパーカンパニーたてまくって、
担当者に賄賂渡して、
インデックスファンドに買ってもらいます!!!!
機関投資家ざまぁ!!!!!
(ぶっちゃけ仮想通貨がそんなんばっかだ、なんて言えない)
ルールが重要なのはわかったけれど、
どんなやつ??
Coinbase Digital Asset Frameworkというこちらのやつです。
ちなみに、バイナンスもBinance Listing Tipsというのも出してるけれど、Coinbaseほど中身を開示していない印象。
例えばここで議論になったのが以下の二つ。
3.1 Regulation
US Securities Law
The asset is not classified as a security using Coinbase’s Securities Law Framework.
6.2 Token Sale Structure
Team Ownership
The ownership stake retained by the team is a minority stake. There should be a lock-up period and reasonable vesting schedule to ensure the team is economically incentivized to improve the network into the future.
あ〜〜〜〜
リップルは証券なのか???
とかのいつものやつね。
そう、まず3.1の方は「コインベースのLaw Frameworkにに基づいて証券に分類されないこと」とある。
本当に証券かどうかなんてのはSECに聞けって話だし、このフレームワークもやっぱりHowey Testの話が出てきているので何がどう判断されたのかわからない。でもコインベースは証券じゃないと判断したみたいだね。
ええやん!(ガチホ民)
二個目の方は??
チームの保有はマイノリティじゃないとダメだよっていうのと、ロックアップですぐには売れなくして、チームに開発のインセンティブをつけないとねって。
ロックアップがXRPにあるのは有名だしいいような気もするけれど、リップル社保有分が多いことはよく言及されてたね。
これがなんで重要なんですか?
取引所作って荒稼ぎするつもりか??
基本的に取引所の上場基準の目指すところなんて大きく変わらないし、これから生き残る通貨の基準もこの辺に寄っていくと思うからです。
……???
すごい簡単にいうと、もし僕が日本のホワイトリストを作る立場の人間だったら絶対に参考にするし!SECだって必ずこう言ったところから判断していくよってことです!!
そういう通貨の方が(煽られたりして)上がりやすいでしょ!!
なるほど!!!
もちろん暗号通貨の発展性としては、こんな中央集権的な話とは違うところにあるんだけれど、それはそれとして社会の方向性はまず、こういった規制や基準を作っていくところに見えてくると思った話でした。
多分ですけれど、機関投資家やインデックスの選定基準なんかもこういうところによってくると思います。
今週色々あったので、この辺で一旦区切ります。
Ethereumのアップデートとかについては個人的には一番力を入れて見てたので、また別記事にでもしたいと思います。
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