概要
仮想通貨マーケットの動きを一週間まとめて振り返っています。BTCだけでなくマーケット全般を見るため、Bloombergインデックス等を見ていきます。仮想通貨だけでなく主要金融市場についても振り返ります。
加えて、簡単なニュースの動きなどをつけていきます。最新のものはツイッターアカウントで更新しているので、こちらのツイッターや#仮想通貨インデックスのタグをご覧ください。
前回の記事はこちら!
各種インデックスの動き
(主要インデックス、2019.3.8末時点)
今週は雇用統計と中国の全国人民代表大会(全人代)を控えていたことから、全体的にリスク資産に調整の動き。(大方の予想どおり)
仮想通貨はバイナンスのICO計画が順調に発表されたことや、米国で各種投資家向けサービスがローンチされ、総じてプラス。
- 仮想通貨は若干上昇。BTCの上昇以上に、マイナーアルトコインの上昇も見られる。
- 債券は大きく買われ、金利低下。フラットなカーブ続く。(2−5年が逆イールド継続)
- 株は各イベント前に調整の動き。雇用統計後は若干のリバウンドも。
- VIXは再び16台へ。金曜日には一時18をつける動きも。
主なマーケットの出来事
主要な動きを箇条書きにします。詳しくはツイッターのツリーでニュースをぶら下げてあるのが読めますので、ご参照ください。
金融市場のニュース
(SP500の動き)
- 米中貿易協議は最終段階入り、3月下旬に合意もとwsj報じる(ただし株価は下落)
- ECBは経済見通しを下方修正。ただし今年9月からの緩和政策(TLTRO)を発表
- 米雇用統計は賃金、失業率は改善傾向も、雇用者数は予想外に小幅な伸びに止まる
アメリカの無職に一喜一憂するイベント、終わりましたね?
仮想通貨市場のニュース
(TradingView Total指数の動き)
- Tether社、Tronチェーンでのステーブルコイン発行計画を発表
- 会計法人Ernst & Young 仮想通貨税計算ツールをリリース
- 米大手運用会社Fidelity、ビットコインのカストディサービスを開始
- BlockFi社、仮想通貨レンディングサービスを日本向けにも展開
- ベネズエラ政府、BTCとLTCを国外から送金する政府機関(Patria)を設立していたと報道
- バイナンスCEO、次回ICOの計画についてツイッター上でLIVE配信(BNB上昇)
しょーぐん
バイナンスが上がった結果、その他の取引所トークンも
同じように活況になるorなんらかの施策が出される?との思惑もあって買われた動きが目立ちました。
その他、税計算やカストディなど仮想通貨に機関投資家が参入するためのネックとなっていた点について、進展があった週でした。
リスク調整の週ってどういうこと?
今週はセオリー通りに、調整がきた週でしたね。
2019年3月4日東京12時の #BGCI は260.19
前営業日比-1.90%
前月末比-1.75%
前々月末比10.04%
年末比-0.15%金融市場はブル継続なんだけれど、今週は全人代や雇用統計も有るのでむやみにリスクを取る人が減りそう。
仮想通貨はETHのアップデート上げの反動タイムかな。#仮想通貨インデックス pic.twitter.com/qedQbCDJlU— Shogun (@crypto_shogun) March 4, 2019
これどういうこと??
このツイートの通りなんだけれど、まず状況を整理するとこんな感じ。
- 1月以降、株式に強いトレンドが継続していた
- 市場の注目点である米中貿易について、ある程度着地が示唆されてきた
- 雇用統計など、イベントによって市場が変動するリスクが見込まれた
ブル継続で上がり調子なんやろ!?
順張りなら勝てるって、ツイッターで習いました!!!
逆張りしてクッソ死んだ後にな!!!!!!
それがまず1で上昇トレンド続いてたってところだね。
そこに加えて、2の要素が、まず相場の転換点を示唆してきていました。「噂で買って事実で売れ」とはいうけれど、この場合は「噂で買って、
公式報道までには売っとけ」みたいな感じ。
バ〜イザルゥ〜マァ〜〜〜〜
……。(バカにされてるのはわかる)
それはそれとして、ポイントは3の、イベントを控えていた週だということです。
イベントなら、それで稼げばいいんじゃないの?
雇用統計とかみんな騒ぐやん。
雇用統計は大事な経済指標なので注目されるのは確かです。
ただし、多くの機関投資家は雇用統計の数字の予測やそれによるマーケットの動きを当てに行くようなトレードはしていません。
なんで?
自信ないのか???
というより、機関投資家ごとに運用目標があって、それぞれ得意とする点に基づく戦略を持っています。
なので、得意とする戦略じゃないところで市場が急変するリスク(経済指標や政治のリスク)はなるべく避けようという意思が働きます。得意でないところで戦うのは割に合わないからね。
リスクリワードですね??
簡単にいうとそうなります。
機関投資家も限られたリスク量の中で、一定のリターンを獲得していく仕事です。こう言った高リスクイベントの週は、ポジションを落とす方向に動かしやすいです。
加えて、現状はアルゴリズムを用いた取引から、こう言ったイベント発表はそれまでのトレンドとは全く違う要素でポジションが構築されます。
今月のように強いトレンドが出てきている中では、それが一服して調整されやすいのはセオリーってことですね。
あの雇用統計終わってから株上がってんの、材料消化感がすごいね。
— Shogun (@crypto_shogun) March 9, 2019
材料消化感っていうのはそういう感じです。
次から覚えておくといいかもね。
わかった!!!!
じゃあ次こういうの見たら、
逆張りフルレバロング!!!
っていうワケではなくて、リスク量を落とすことから始めてね。
機関投資家向け、仮想通貨投資の準備は進んでいるのか
Bakktはまだだけど、税金とかカストディとか進んでるじゃないですか。
そろそろ機関投資家の爆買いまだか???
爆買いはまだまだだろうけど、進められる部分は進んでいるという印象です。
個人的には、機関投資家が参入するための主な障壁は以下だと思っています。
- アンチ・マネーロンダリングの整理
- 相場操縦問題の整理
- カストディ(現物保管)インフラの整備
- コイン/トークンの証券認定またはその他の定義
- 会計/税ルールとインフラの整備(アドミニストレーション)
いっぱいある…
多分もっといっぱいあるけれど、無理やり5個にまとめて見ました。
このうち3と5なんかは、業界団体やベンチャー企業が中心にインフラが整えられてる感じがします(今週のニュースしかり)
1.2.4は?
こればっかりは政治的な話になってくるし、もっというと国際的な犯罪防止とかに関わってくるから、誰にもわからないと思う…
1のマネロンなんて、あるとしたら「現金レベルまで諦める」みたいな話だろうけれど、それにGOサインを出したがる政治家は少ないよね。
ばくあげ はやく たのむ
ぜいきん はらえない(実話)
そもそも、機関投資家が入ってきたからと言って、「今あるコイン」を買うという保証はないんだけれどね。その時にあった投資対象にロング/ショートするんだろうし。マイナーもしかり。
そういう夢のないことをいうから、読者が増えないんですよ???被リンクもらえないんですよ???
はい……。
(被リンクください。なんでもしますから)
QE4(第四次量的緩和政策)の催促相場くるか?
米国では雇用統計も予想ほど良くなく、住宅市場も引き続き悪いことなどを背景に、QE4(Quantitative Easing 4th)を催促するような話題が少し出てきています。(財政ファイナンスを肯定するMMT理論など)
QE4ってあれか。黒田バズーカのパウエル版か??
そんな感じです。
これまで米国は散々Fed(中央銀行)が国債を買って、そのぶんドルを市中にばらまいて景気や雇用を支えてきました。(QE3)
今はその出口を探そうと逆の動きをしてたんだけれど、株価が下がって少しストップしたところ。
催促相場ってなんや???
実体経済はそんな良くない中で、株価も下がってくるとやはり市場関係者や政府関係者にも「緩和して買い支えたほうがいいんじゃないか?」って空気が出てくるから。それを見越してさらに売りこんどこうって市場が形成されることかな。
トランプ大統領なんて露骨にパウエル議長に圧力かけてるもんね。緩和しろって。
実は去年の10−12月もそんな話を僕ら市場関係者の間ではしていたよ。それで1月になったら、パウエルが日和った〜〜、圧力に負けた〜〜って。
言ってました????
もっとはやく言ってくれませんか???
言ってましたね…
繰り返されるかはわからないけれど大きな論点だから、市場の流れは読んでおこうね。
マーケット分析の過去ログを追えば、市場のポイントはなんとなくわかります!
宣伝ありがとうございます!
引き続きよろしくお願いします!(営業スマイル)
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コメント
国際金融を学び始めた大学生です。
金融の基礎を学ぶのにオススメの書籍などあれば教えて頂きたいです!
青さん
ありがとうございます。ちょうど調べていたので、まずは参考となるサイト集をまとめました。
書籍はまた別途まとめてみたいと思いますが、まずはこれらをご覧下さい。