こんにちは。超お久しぶりです。
何してたんですか?ブログ放っておいて。
ちょっとマーケットの荒れ具合やばかったので、仕事してました。トランプとパウエルが悪いですね。
米中貿易戦争の悪化を背景にビットコインは上昇
7月下旬に胡散臭いシンプソンズチャート(左のがくがくしてるやつ)を続けた後、ビットコインは上昇しました。きっかけはトランプさんによる、8月1日の対中関税発言にあったといわれてたりします。この辺で、足の速い人は動き始めてた感じがありましたね。
ビットコイン、貿易ニュースでチャイナマネーでも逃げてきてる?シンプソンズな上げ方じゃないね。
— Shogun (@crypto_shogun) August 1, 2019
なんでトランプさんが関税上げると、ビットコインが上がるの?
シンプルにいうと、人民元安を懸念しての逃避需要です。ただし、なかなか本当に中国からのマネーフローがあるのかは単純にはわからないですね。Coinlibなんか見てもよくわからない。そもそも中国では仮想通貨取引所ってそもそも法律で禁止されてるし、基本的に闇営業やOTCでしょう。ぼくはその思惑も含めて、かなりの影響はあったと思います。
闇営業(全然闇じゃない)
ただここからの流れについては、難しいところがあります。一つは、この対中発言もしょせん交渉事のためのトランプ大統領のポーズであることが強く、新たな要素に上書きされてしまう可能性も高いことです。実際に、5~6月はメキシコに対しても、関税発動をにおわせてから無期限延期するなどして、株式市場を混乱させる動きがありました。
ヤクブーツでもやってるのか?
そして中国側も当然応戦していくことで、貿易戦争は激化していくことは想定されます。これは、現状ビットコインにもプラスに見えてきそうなものです。中国からの逃避マネーがきそうなので。
でも一方、中国に今そんなに余裕はないんですね。
中国の対米報復に限界、無視できぬ自国への打撃
米国はさらに3000億ドル分の輸入品に対して関税を課す構えだが、中国が対抗できるのはあと100億ドル分しかない#米中 #中国https://t.co/eamnS3lCLG— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) August 5, 2019
意地を張り合う余力がないと、現在のマネーフローをあっさり変えてこないか不安なところがあります。そもそも、マイニング費用よりだいぶ上にいる環境下だと相当な売り圧があるし、市場参加者が一部地域に偏りすぎているし。
中央銀行の下支えについて(長期的な話)
以上は短期的なマネーフローの話なんですけど、そもそも長期的な話として①今のマクロ環境はとても悪いってことと、②中央銀行が支えている金融相場だってことを理解しとかないといけないと思います。
①のマクロ環境については、米国では製造業なんかに顕著に出てますし、OECDの見通しなんかもかなりの低水準です、(興味ある人はググってください)
もっというと、そもそも企業の財務レバレッジが高すぎて、それ実質投資適格に値しなくない?みたいなのがもうここ数年言われています。もう一回マーケット壊れるしかないんじゃないの?ってずっと言われています。
なんで悪いのか?は諸説あるんですけれど、簡単に言うと
①リーマンショック後の量的金融緩和で、大量に流動性をまいて企業を支えた
②本来なら潰れるような企業も当然支えられる(下支え)
③インフレを懸念して金融引き締め(利上げ)をしてきた(~2018年中盤)
この最後の引き締めの余波が、今来てる感じなんですよね。金融市場と違って、実体経済には遅れて出てくるので。そんなわけで経済や企業のファンダメンタルズは基本的に悪い中で、今は中央銀行がまた緩和姿勢をとって、下支えに入るのでは…って市場が期待する中で臨んだのが7月末のFOMCでした。
結果は皆さんご存じの通り25bpの利下げで、「これが継続的な利下げのサイクルの始まりではない。ただし一度きりの利下げともいわない」といった感じの回答でした。自分も起きて見張ってましたが、それなりに市場関係者は混乱してました。
ただ冷静になってパウエルさんの話を聞くと、「予防的な利下げ」というのがキーワードになって、マーケットは再び、年内複数回の利下げを織り込む感じになっています。(大丈夫かよ)
長くてよくわからん
ごめんなさい。この話のポイントは、実体経済は悪いんだけど、中央銀行の政策を信じるか?という中央銀行の信頼性の話になってきていると受けてめています。中央銀行の独立性というテーマは何度か話した気がしますが、これは「マーケットの期待通りに緩和するんだろうな、しないならボラティリティ出しちゃうぞ」という市場からの信頼性に関する問いです。
基本的にはこの手のリスクは、今後とも一時的・局所的にボラティリティを生みつつ、金融市場から金や仮想通貨への逃避を生みやすいテーマかなと思っています。最終的にはQEまでGO!
マイナス金利
最後に押さえておきたいテーマとして、マイナス金利があります。現在、欧州や日本の多くの国債はマイナス金利にあります。ドイツは30年債ですらマイナスですし、欧州じゃBB格の銘柄でもマイナス金利のものが出てきたなんてニュースもありました。
現在多くの中央銀行の施策では、一般の個人の口座にまでマイナスの金利は付利されていません。(投資口座では付利されています)ただし、先日こんなニュースがありました。
スイス金融大手のUBSは31日、スイスの大口の個人預金口座に11月1日からマイナス金利を課す方針を明らかにした。残高が200万スイスフラン(約2億2000万円)を超す口座を対象に、年0.75%の維持手数料を徴収する。スイス国立銀行(中央銀行)のマイナス金利政策が長引くなか、負担を個人顧客にも転嫁せざるを得なくなった。
こうなってくると資本の移転を誘発する流れとなります。この手の話も、金やビットコインにはプラスに動くタイプのリスクですね。
書いてて疲れてきたのでこの辺で締めます。ポイントとしては「リスクオンオフ」みたいな二元論で投資対象をみるよりも、リスクには色んな要因、色んな種類があるよという点です。金融マーケットが下がる中でもビットコインが上がっていて、その要因が認識できる、わかりやすい環境な気がしました。
そのリスク要因がアセットクラスごとに、プラス要因なのかマイナス要因なのかっていう目線が大事なんじゃないか、ということが言いたかったものでした。
専門用語的には、マルチファクターモデルやらの世界に近いですね。(専門家の人は”のインデッ”スレへどうぞ。熱く語ってください)
なんにせよ、今は経済のファンダメンタルズが弱く、中央銀行や貿易戦争の動向でボラティリティも生みやすい環境なので、それぞれの材料の方向性を一つ一つ上手く整理していくと、迷いがなくていいんじゃないかなと思いました。月曜にこんなに書いてると精神が限界です。本当に。以上です。
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