概要
仮想通貨マーケットの動きを一週間まとめて振り返っています。BTCだけでなくマーケット全般を見るため、Bloomberg指数のほかTradingviewの指数を用いていきます。仮想通貨だけでなく主要金融市場についても振り返られるよう、一覧にまとめています。
加えて、簡単なニュースの動きなどをつけていきます。最新のものはツイッターアカウントで更新しているので、こちらのツイッターからご覧ください。( #仮想通貨インデックス のタグを参照ください)
今週は金融市場も休みが多いので、トピック多めで行きます。
インデックス一覧
(主要インデックス、2018.12.30末時点)
今回からTradingviewのCrypto Total出来高を追加しました!
先日の上昇時をピークに上がって来ていたけれど、11月末並みに落ち着いて来ていますね。
- 仮想通貨については11月末比横ばい。
- 価格はほぼBTC依存ながら、若干下位アルトが強い。
- 債券は月単位で見て利回り低下(価格上昇基調)が続く。なお、世界国債インデックスは円高が進んだためマイナス。
- 株は一日あたりのボラティリティが高く一進一退。
- VIXは高水準を保ち、金が買われる。
- 円高の進行など、全体的にリスクオフ傾向。
12月の仮想通貨市場は大きく行って来いの展開でした。BCHハードフォーク問題のあった11月以降の値動きとして見ても、個人的には原油等のコモディティに近い値動きと見ています。
特に、市場参加者の属性が偏っていて、生産者都合で大きく値動きがでる特徴を見るべきものかと思います。
財閥!!!!!!
財閥の買いは!!!!?????
かわいそうなオタクだ
主なマーケットの動き
主要な動きを箇条書きにします。詳しくはツイッターのツリーでニュースをぶら下げてあるのが読めますので、ご参照ください。
金融市場の動き
- 12.24 米政府機関の一部閉鎖の長期化懸念
- 12.24 トランプ大統領、FRBの利上げの速さを問題視するツイート。パウエルFRB議長の進退に懸念広がる
- 12.24 ドル、及び米株が大きく売られ、世界的にもリスクオフの一日となる
- 12.25 クリスマス休場
- 12.26 強い小売売上や年金のリバランス観測から米株急反発
仮想通貨市場の動き
- 12.24 Bitmainが大幅レイオフと中国メディア報じる。仮想通貨は下落方向へ
- 12.25 Facebook、WhatsApp内で総員可能なステーブルコイン開発着手
- 12.26 GMOがマイニング機器の販売から撤退の方針発表
- 12.26 みずほFG、デジタル通貨発行を発表(2019.3)
- 12.28 オプション行使期日 (Deribit)
- 12.28 CME先物12月物期限
先週の仮想通貨マーケット分析でも言ったとおり、株が下がっている中上がっているのが不思議でしたが、調整が入りました。一連の上げ下げにも、一つはマイナーの現金化ニーズがあったんだと思います。
28日のオプション・先物期限売りを狙って、薄商いなマーケットで24日に上げた後、「一部メディア報道」等で落ちたと見ると、納得感が出てしまって怖いですね。(真相はわかりません)
トピック:利上げとは?仮想通貨との関係は?
利上げって何だっけ?
今年の金融マーケットを振り返ると、まず一番のテーマとして上がるのが「利上げ」「政策金利」でした。今週もFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長とトランプ大統領はニュースの中心でした。
この影響は仮想通貨のマーケットにも色濃く出ていると思います。ではこの利上げが何なのか、簡単におさらいします。
デデ〜ン!Wikipedia〜(テンプレ)
政策金利
政策金利(せいさくきんり、英: bank rate)とは、中央銀行が、一般の銀行(市中銀行)に融資する際の金利。
中央銀行の金融政策によって決められ、景気が良い場合には高く設定され、景気が悪い場合には低く設定される。これによって、景気が良い場合には預貯金やローンの金利が上がり、通貨の流通が抑えられる。景気が悪い場合には金利が低くなって、通貨の流通を促進する意味合いを持たせることになる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
はいわからん!
機関投資家とは?の回で触れたとおり、銀行は中央銀行にお金を預けて利子をもらう仕組みになっていて、それがあらゆる法定通貨の利率の大元になるんだ。
中央銀行の金利は原則的に最低金利のベースとなります。これが上げられることは例えば、ローンの借入金利を上昇させて経済を緊縮させることにも繋がります。金利上昇は企業にとっても資金調達が難しくなるので、株式価格、債券価格共に低下の要因となり得ます。
政策金利の同行は世界中の投資家が注目しており、その背景となる景気や雇用のデータを中央銀行がどう認識しているか?どう政策判断に活かそうとしているか?についてだけで、株価が大きく動きます。(大統領ツイートしかり)
株価にマイナスの影響!?
何でそんなことするんや!
一生利下げしとけ!!!!!!!!!!
そうはいかない。金利の調節は、景気サイクルに合わせた物価や雇用の安定のためにあるんだ。加熱しすぎてインフレが進みすぎてもみんなが困るから、適切にコントロールする必要がある。
ほーん?
(聞いてねえなコイツ)
今は世界中でガバガバに金融緩和(利下げ)し続けてきたからガバガバで、その反動がきてるって聞きました!
そう。米国、欧州、日本ともに金融緩和をし続けて、その寄与もあって株価は過去数年伸び続けて来た。仮想通貨の成長もそう言った、低金利やリスクオンのムードが背景にあったと取るのは自然だと思うよ。
今は米欧を中心にその逆の金融引締め(利上げ)をやっているね。
利上げが進むとどうなるの?
何となくわかったけど、利上げの影響で市場はどう動くの?
日経フルレバショートしていい?
そう簡単なものじゃないんだよね。すでに先物とかには織り込んでいる部分も多いし。基本的には、金利感応度の高いセクター(住宅など)からダメージを受けると言われている。
ただ、構造的によく出る部分として、今年は新興国通貨の売りが顕著に出た。その背景の一つには米国の利上げがあるんだ。
今年トルコリラやアルゼンチンペソ等、新興国通貨の混乱があったことは記憶にあろうかと思います。もちろん、政権の混乱や対米国での問題があったことも一因ですが、この米国の利上げも大きく関係しています。
端的に言うと、外貨準備高を十分に持つことができず対外赤字を抱える国の経済、財政が、米国の利上げにより圧迫される構造があります。基軸通貨とは?の回で触れたとおり、ドルを保有していればドル高の影響は世界中で享受されます。しかし赤字国は利上げによるドル高の恩恵が薄く、ドル高によりドル建て負債の返済も難しくなります。また、ドル高/自国通貨安は輸入物価高に繋がり、生活も苦しくなります。
こういった背景に、個別の政治的混乱が重なって、ショックに繋がったわけだね。騒ぎになる前に構造を理解していれば、銘柄を見るにもチャートを見るにも戦略が立てやすいと思います。
仮想通貨はどうなるの?
もう経済はええねん。仮想通貨は…
オタクの仮想通貨は助かりますか!?
もう死んでr そこももう織り込まれていると見るべきだけど、今後さらに経済環境が悪化してくる兆候があったら、注意すべきだね。
先ほどのローンの例ように、金利はあらゆるビジネスや金融商品に関係する重要な要因です。これは仮想通貨の業者においても同様です。例えばマイナーを考えてみても、結局は彼らもリース機器代や土地、電気代を支払う必要があり、短期での資金繰りが必要となります。
先週のBitmain社のリストラの報道にもあったとおり、金利上昇がマイナーの収益性を悪化させ、短期的な売却を加速させるのでは、という懸念があります。
事実はどうはれ、そう言う構造的な懸念がある以上、材料視はされてしまうね。(正直、もうマイナーから金利の悲鳴は上がってると思うけど)
特に、以下のツイートにあるように中国では隠れ債務が巨大(660兆円規模)あって、それを足すと政府系債務がGDPの60%を越えると言われています。こう言ったニュースに価格が反応しだしたら、注意が必要です。
China debt crisis: $6 trillion off-balance-sheet debt poses 'titanic' risk, S&P Global says https://t.co/hB48OA9WEU
— Shogun (@crypto_shogun) December 6, 2018
まとめ
- 利上げが進むと株、債券にマイナス。仮想通貨にもマイナスと考えられる。
- 新興国の混乱の背景にも利上げの影響は大きくあり。
- 金利の上昇で悲鳴をあげてるマイナーの売り観測には注意。
今年の新興国で実感したけれど、構造がわかっていればトレード戦略も準備できるから、しっかり備えたいですね。
備えよう(迫真)
ヴァ
ではみなさま、良いお年を。
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