今週の仮想通貨マーケット「仮想通貨のVIX登場!って、その前にVIXって何??」(2019年1月20日)

マーケット分析
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概要

仮想通貨マーケットの動きを一週間まとめて振り返っています。BTCだけでなくマーケット全般を見るため、Bloombergインデックス等を見ていきます。仮想通貨だけでなく主要金融市場についても振り返ります。

 

加えて、簡単なニュースの動きなどをつけていきます。最新のものはツイッターアカウントで更新しているので、こちらのツイッター#仮想通貨インデックスのタグをご覧ください。

 

しょーぐん
しょーぐん

金融市場は前半Brexitが中心でなだらかに好調なマーケットだったけれど、最後の最後にトランプがやってくれたよ!って感じ。

 

仮想通貨は振り返ると横ばいっていうか、無相関が続くね。

文鳥左
文鳥

(いつの間にかしっかり働いてる…)

各種インデックスの動き

(主要インデックス、2019.1.18末時点)

しょーぐん
しょーぐん

月初の雇用統計以降、金融政策からその他の政治テーマに話題が移りましたが、楽観的な捉え方が多く株価は上昇、債券は売られました(利回り上昇)

 

VIX(ボラティリティインデックス)低下と原油上昇が続いており、金がやっと少し止まってきた感じです。

 

この世界的なリスクオンの週に、仮想通貨さんは横ばい、ないしは中低位銘柄の循環上昇をやってる感じ…

(金融市場リスクオンかつBTC横ばいなら、やりやすいのかな)

 

 

  • BTCは小幅上下。
  • BTCが横に推移する中、メジャーアルトが弱く中低位銘柄が強い。個別に動きも。
  • 債券は満遍なく売られ、引き続きフラットなカーブ。(特にこれまで買われていた5年が売られている)
  • 株はボラティリティが低下しつつ上昇続く。米中交渉が話題の中心に。
  • VIXは後退続く。水準は11月末より低下。
  • 金の買い傾向止まる
  • 原油は12月の底値42ドル台からの上値トライ継続。

主なマーケットの出来事

しょーぐん
しょーぐん

主要な動きを箇条書きにします。詳しくはツイッターのツリーでニュースをぶら下げてあるのが読めますので、ご参照ください。

 

金融市場の動き

  • 1.14 米国の政府閉鎖は2月末まで想定と報道(Bloomberg)
  • 1.14 中国貿易統計悪化
  • 1.15 英議会Brexit案否決(株式はプラスに反応)
  • 1.16 パラジウム価格が16年ぶりに金を上回る
  • 1.16 米国地区連銀経済報告(ベージュブック)は景気拡大の鈍化を示す
  • 1.17 英国首相不信任案、僅差で否決
  • 1.17政権が対中関税引き下げ措置検討とWSJ報道。財務省は否定。
  • 1.18 中国が米国に貿易不均衡の是正計画を提示したとするBloomberg報道。
  • 1.18 12月の鉱工業生産指数は10ヶ月ぶりの大幅上昇。

 

仮想通貨市場の動き

  • 1.14 マネックス、グループ子会社TradeStation Cryptoを通じ2019年内の米国仮想通貨市場参入を発表
  • 1.15 Bakkt、先物仲介業者Rosenthal Collins Group資産一部取得
  • 1.15 Cryptopia ハッキングされたと発表
  • 1.15 ビットコイン版のVIXがLedgerXより発表
  • 1.16 Grinがメインネットローンチ
  • 1.16 Ethereum アップデート、セキュリティ脆弱性により延期
  • 1.16 第160回芥川賞受賞作のテーマにビットコイン

 

 

しょーぐん
しょーぐん

金融マーケットは前半はBrexit、後半は米中の貿易問題解決??というニュースが主題に。状況を大きく変える何かが出たわけでもないけれど、センチメントが良好だったこともあり、株価は総じてプラスに反応。(この浮わついた反応、仮想通貨みたいだね…)

 

一方、仮想通貨はBakktのM&Aでプラスに動くも、ETHのアップデート延期で上昇分を失う形。ただしバイナンスのアルトコインは個別にPumpも見られた。

 

あと、先週も触れたとおり政府機関の閉鎖はBakktの認可などにも関係していることに注視。

 

文鳥
文鳥

Brexit??

よくわからんが、なんか話進んだ?

イギリス人は考えを改めましたか?

しょーぐん
しょーぐん

実は何も進んでない。っていうかメイ首相も通ると思ってなかっただろうし、民主主義は既定路線試すにも時間がかかるよな〜って感じ。まだまだグダグダいくよね。

 

米中問題も、トランプ大統領のツイートへの反応を見ても、楽観ムードはすごく感じる。政府閉鎖もまだなんの回答もないのにね。

文鳥
文鳥

トランプさんへ、わたしです。

ツイートする前に一報頼む。

オタク
オタク

政府のせいでビットコイン上がらないの?

政府が滅べば上がる?

 

しょーぐん
しょーぐん

ビットコインのために社会を犠牲にするのやめろ。

 

米中問題は単なる貿易というより、IT等成長戦略/サイバー抗争を背景にした交渉問題と見るべきだろうね。根が深い。

 

政府閉鎖はメキシコの国境問題を巡っての予算案協議が、与野党でまとまらないのが要因。世論も割れてるし、政治リスクは難しいよね。両方とも経済の中心的なリスクになってる。

 

オタク
オタク

わかったよ。

つまり政府を滅ぼせば、オタクのビットコインは救われるんだね…?

しょーぐん
しょーぐん

(……会話が無理だな?)

トピック:仮想通貨のVIX登場!って、その前にVIXって何??

仮想通貨のVIX登場

しょーぐん
しょーぐん

気になったニュースに、仮想通貨版のVIX(ボラティリティ・インデックス)の登場というものがありました。

オタク
オタク

恐怖の……指数……

ふふふ、ついに始まるのね…

文鳥
文鳥

恐怖指数〜〜〜。

あれやろ、株が荒れるとヴァーーーーってなるやつ。

しょーぐん
しょーぐん

うん。恐怖指数といっても、心理学とかそういうことじゃないんだけどね。今回はVIXってなに?っていうのを簡単にまとめたいと思う。

 

VIXとは?

VIX(ボラティリティ・インデックス)とは本来、ある市場または証券等のボラティリティを示す指標の総称です。ただし、私たちが昨今ニュース等で見ているものは、S&P500指数のオプションの価格から逆算される30日先インプライド・ボラティリティを指しています。

 

オタク
オタク

フフフ…

(わかるはずがない)

しょーぐん
しょーぐん

オプションはちょっと難しいもんね。

一つ一ついくと、こんな感じ。

  1. S&P500指数=アメリカの日経225みたいなもの。代表銘柄
  2. オプション=将来一定価格で証券を買う/売る権利
  3. インプライド・ボラティリティ=オプション価格が裁定が効いているものだとした際に、それが示唆(Imply)するボラティリティ。
文鳥
文鳥

1.2.はいいとしても、3を鳥類でもわかるようにお願いできますか?

しょーぐん
しょーぐん

これ説明すると文字数がいくらあっても足らないけど…

例えば今20,000円の日経を明日19,500円で買う権利があるとして、いくら出す?

文鳥
文鳥

うーん、500円くらいやろうが、明日日経は20,500円くらいならなるかも知れんし、19,500円になるかも知れん。

わからん。ニトリ会長にしかわからん。

しょーぐん
しょーぐん

そう、この時オプションの買い手と売り手は、この先の値動きという不確実性を考えている。オプションというのは実質的には、ある価格水準からの不確実な値動き(ボラティリティ)の移転を行なう取引なんだ。

 

この例だと、19,500円以下になったら行使しなきゃいいわけで、買い手は下値のボラティリティを抑えつつ上側のボラティリティは享受する。そのためには幾らかのお金を払わなきゃいけない。(プレミアム)

 

 

 

文鳥
文鳥

哲学的な話をしようとしてます?

要はボラティリティから価格が決まってるんやな?

しょーぐん
しょーぐん

それだけ理解してればいいよ。

オプショントレーダーは各々想定したボラティリティ水準からトレードしているという前提にたてばいい。

 

そうすると、取引されている価格から、ボラティリティが逆算できるっていうのがインプライド・ボラティリティだね。これを米株でやってるのがいわゆるVIXです。

文鳥
文鳥

村上春樹的な話で煙に巻こうとしてませんか?

オタク
オタク

フフフ…

帰っていい?

 

VIXを見ると何がわかるの?

VIXが上昇しているか下降しているかどうかで、株式市場の先行きの不透明感を測るというのが一般的な理解です。前述の通りインプライドボラティリティはオプショントレーダーの予測の平均値とみなせるため、将来の不確実性を示します。過去からの推計(ヒストリカル・ボラティリティ)とは異なります。

 

しょーぐん
しょーぐん

基本的には市場急落時にVIXは急上昇する傾向があります。そんな辺りも、「恐怖指数」と呼ばれる由縁ですね。20超えるとマーケットが騒ぎ出してる傾向がある。

 

またVIXには先物があるから、それでヘッジする戦略もあります。(コストかかるけど)

文鳥
文鳥

んでこれは、仮想通貨と関係あんの?

しょーぐん
しょーぐん

これまでは結構あったね。構造として例えば、以下のような仮説がたてられると思う。

  • 株式市場が急落すると、リスクアセットとして仮想通貨も売られやすい。
  • 株式市場で上下にボラティリティ出ると、個人トレーダーが仮想通貨よりも株式市場でリスクを取り出す。
  • 株式市場が安定してリスクオンムードになると、仮想通貨市場でリスクをとるトレーダーが増えてくる。

…ただし、最近は状況も変わってきているし、株式と無相関なマーケットが続いているから、別の要素も見なきゃかなと思ってる。

文鳥
文鳥

そもそも出来高ないですしね

 

ビットコイン版のVIXとは

 

しょーぐん
しょーぐん

これなんですけど、すでに長すぎて難しいから、またの回にしていい?

文鳥
文鳥

またか!!!!

しょーぐん
しょーぐん

要点だけいうと、普段見ているのが米株のオプションから見た推定ボラティリティなのに対して、ビットコインそのもののオプションから見た推定ボラティリティってことだと思うんです。

 

ただ、ビットコインのオプションにそこまでの参加者や流動性があるのかって話もあって、正直受け皿ができたねってくらいかなと思う。ちょっと様子見てから書きたいです。

 

オタク
オタク

よし、早く終わろう!

まとめ!!!!!

  1. 普段見ているVIXは、米株のオプションから逆算した推定ボラティリティ。
  2. VIXは、市場の安定性に対してトレーダーがどう見ているかを表す。
  3. ビットコイン版VIXはよりビットコイン市場を表しうるものの、正確性はまだ未知数。

 

オタク
オタク

投資の基本、機関投資家とは?

のシリーズも見てね!

文鳥左
文鳥

難しい話で脳が腐ったひとは我々のブログを読んでリフッシュしてね!

 

コメント

  1. しゃち より:

    初めまして、こんばんは。
    いつもツイッターとブログ拝見させて頂いてます、大変勉強になります。
    質問が少しずれてしまうかもしれませんが、VIX、オプション、金利等の、専門知識を初心者が勉強し、取引に活かすにはどういった書がよいのでしょうか?

    株、為替、クリプト共に基本の売買が出来るくらいの初心者です。
    どのサイトや本を見ても、噛み砕いた物が無く腑に落ちません。

    よろしければ、今後基礎の基礎も、時間が許すのであればお願いしたいです。

  2. Crypto_Shogun より:

    しゃちさん、質問ありがとうございます。

    ①VIX、オプション、金利等の、専門知識を初心者が勉強し、

    こちらはいくつか選択肢がありますね。英語ができればCFAの教材がベストですし、初心者なら証券外務員の教材でも体型的にはまとまっています。

    ②取引に活かすには

    こちらは難しくて、時間軸や資産規模、想定するリスク水準にも依ってきます。書籍で探すとテクニカルの手法ばかり出てくるのですが、その書籍だけで解決できるものではありません。

    慣れたBotトレーダーのように、過去のマーケットのリスク水準を推計したり、戦略をシミュレーションをする方法を身につけるのが近道かと思います。

    オススメのものをまとめたら、また記載させていただきますね。(なるべくとっつきやすいやつで)