概要
仮想通貨マーケットの動きを一週間まとめて振り返っています。BTCだけでなくマーケット全般を見るため、Bloombergインデックス等を見ていきます。仮想通貨だけでなく主要金融市場についても振り返ります。
加えて、簡単なニュースの動きなどをつけていきます。最新のものはツイッターアカウントで更新しているので、こちらのツイッターや#仮想通貨インデックスのタグをご覧ください。
金融市場は、引き続きハト派ムードを背景に上昇。
仮想通貨は…色々ニュースはあったけど、価格に動きなし!
前回の記事はこちら!
各種インデックスの動き
(主要インデックス、2019.2.15末時点)
1月末のFOMC以降、米国の金融政策がハト派化した上で、世界的にもインドやオーストラリアなど、続いて緩和的な政策に転換する動きが見えている。米中通商交渉や米国の国境警備予算/政府閉鎖問題のニュースは連日論点となるも、総じて見れば根本的な進展もなし。新しい不安材料がない中で、12月の株価下落からの回復傾向が続く形に。
VIX(ボラティリティインデックス)は低下が続く。原油はサウジ減産ニュースに反応して上昇。金はドル安もあってかじわじわ上昇続く。
仮想通貨は価格的には大きな動きなし。
- BTCは大きく動きなし。Mexのロングショート比率も安定。
- 債券は全般的に売られフラットなカーブ続く。(2−5年が逆イールド続く)
- 株は米中通商交渉期限の延長をトランプ大統領が示唆したことを受け、上昇
- VIXは後退続く。16台⇨14台へ。
- 金はじわじわ上昇
- 原油は50〜55ドルにてニュースに振られる展開ながら、足元は上昇。
主なマーケットの出来事
主要な動きを箇条書きにします。詳しくはツイッターのツリーでニュースをぶら下げてあるのが読めますので、ご参照ください。
金融市場の動き
(SP500の動き)
- 2.12 トランプ大統領「協議が合意に近いなら3/1の対中関税引き上げ期限の延期を否定しない」
- 2.12 米上下両院の交渉担当者は国境警備予算を巡り「原則合意に達した」と報道
- 2.12 トランプ大統領は合意の内容に不満を表明。
- 2.13 共和党上院議員、自社株買いへの課税に言及するツイート。株価は下落。
- 2.14 トランプ大統領、政府閉鎖回避のための合意に署名すると同時に、さらなる予算案獲得のために「国家非常事態」を宣言するとの報道
- 2.14米小売売上高弱く、一時株価下落。(政府閉鎖の一時的な影響との声も)
- 2.15 ミシガン大学消費者マインド指数強く、前日の小売指数低下を否定する動き。
- 2.15 ムニューシン米財務長官「米中貿易競技は生産的な対話だった」株価上昇
通貨市場の動き
(TradingView Total指数の動き)
- 2.12 アセットマネジメント会社Morgan Creek Capital がクリプトベンチャーキャピタルファンドとして40mil ドルの調達と報道。顧客にはヴァージニア州のPolice Officer’s Retirement SystemとEmployees’ Retirement System(公的年金基金)がいるとCoindeskインタビューにて語る。
- 2.13 12月にCEOの死によってウォレットにアクセスできなくなった取引所Quadriga、うっかり(inadvertently)100BTCをそのウォレットに送ってしまったと発表(フザケンナ!)
- 2.13 JPモルガン、独自の仮想通貨(ステーブルコイン)の実験に成功と発表
- 2.14 新経済連盟「暗号通貨の新たな規制に関する要望」を金融担当大臣宛に提出
米国は「国家非常事態宣言」発動へ!!
金融市場は相変わらず同じテーマで、米中交渉と国境予算について誰かが話せば、それに振らされるって感じでした。(もう内容はどうでもいいんじゃないか?という思いはあります。)
国家非常事態宣言!?
SEKAI NO OWARIか!!!???
ついにこの時が来るのね…
毎日教室で妄想していた、世界の危機…
フフフ…
なんかもう、掘り下げほどのものかこれ…
実は国家非常事態宣言、そこまで珍しくなくて、トランプさんも過去すでに3回やってるそうです。
詳しくはこのウォールストリートジャーナルの記事がわかりやすかったので、紹介します。実は1月の時点でも、結構な確度で言及されてました。
非常事態なのに、事前に話されてるの?
別に緊急とは言ってないからね。上の記事にある通り、国家非常事態法は大統領の裁量を拡張するものらしいです。テロリストの資産凍結したり、災害用に緊急予算を配分したり色々できるらしい。
でも肝心の非常事態の定義がないから、トランプの公約である壁建設にも使えるんじゃない?って話なんだってさ。
自分の公約達成できないから非常事態宣言する???
トランプ半端ないって。そんなんできひんやん普通。
実際そうだからしょうがない。そんなことやってると支持率が下がっちゃうってのが、一番株価的にも気にされてると思うよ。
さっきのWSJの最後、すごい皮肉だった。
これまでのところ、非常事態の定義を巡る論争はほとんどなく、そうしたシステムは「おおむね機能してきた」とブラデック教授は語る。だが現在の米国を率いるのは、政治規範や伝統に「良かれ悪かれ関心を持っていない大統領だと思う」
ワロタ
ワロタ
(blockchaindex.net は特定の政治思想はございません。あくまでマーケットを見てます。よろしくお願いします。)
米国の年金基金が、仮想通貨関連のファンドに投資
Coindeskのインタビューにて、Morgan Creek Capitalという仮想通貨関連の運用会社が語ったそうです。ファンドに米国の年金基金が投資したと。初のことだと。
すごいやん!仮想通貨爆上げしろ!
例によって二次三次報道とか日本語訳で内容が歪められてる懸念があるのでよく見たんだけど、原文はこう言ってた。
Morgan Creek’s new fund will primarily make seed investments in equity, Pompliano explained, though in certain limited cases it will also invest in token-based projects that don’t create equity opportunities but do have cash flow. It will also hold a small amount of key cryptocurrencies.
(上記Coindesk インタビューより抜粋)
I don’t understand!
早い話がこのファンドは、まずはブロックチェーン関連の株式から投資を始めますって言ってるので、すぐ仮想通貨買うって話じゃない。ただし、株式を発行していないブロックチェーンプロジェクトに対しては限定した量のトークンを将来的にもつよって話をしてる。
将来もつんならええやん!
そこはほら、soooooooon…って言って今に至る業界だし…
そもそも44億円規模ってあるけど、それって大きさ的にはどうなんですか?
ベンチャー株投資としてみれば特別大きいわけでもないんじゃないでしょうか。でも、こうして業界に明るいニュースや投資家が集まるのは間接的に期待で切る話ではあるのかもね。
あっ、リップサービスだ…
きたない大人がやるやつ…
なんやねん…
※年金基金とは何か?については、機関投資家とは?のシリーズにまとめています。ご覧ください。
JPモルガンがステーブルコインを発表
ぶっちゃけ、いつかやると思ってましたよね。みんな。
MUFGやらみずほもやろうとしてるらしいし、似たようなものですか?
公式の発表内容を見る限りはそう。いわゆるUSドルとのステーブルコインです。
ポイントとして、他の仮想通貨との違いは?のQに対するAについて、以下のように回答しています
Blockchain
Permissioned (i.e., enterprise grade secure blockchain solutions built by J.P. Morgan and/or partners)
Only institutional customers passing J.P. Morgan KYC can transact with these coinsUsers
Exclusively for institutional customers (e.g., Banks, Broker Dealers, Corporates)
要は、JPモルガンのKYCを通った機関顧客にしか使わせないし、もちろんパブリックじゃないという話ですね。実際、使用目的も大企業間の電信送金や証券取引等ということで、個人が直接扱う少額決済を想定してはなさそう。
あと面白かったのが以下のページ。通貨の使い道について、既存の通貨と比較してるんだけど…
えっ何これ。
ビットコインもテザーもしょせん投棄用ですけど〜〜〜
うちのコインは真面目な決済用ですから〜〜〜
あなたとは違うんです〜〜〜ってこと?
そこまで言ってないけど、スタンス感じられていいよね。
あの〜〜〜〜〜
これって仮想通貨にいい話じゃないの?
そろそろ爆上げしませんか?
いい話だとは思うよ。ただ、既存の仮想通貨にとっていい話かっていうと…うーん。
どういうこと?
ブロックチェーンのいいところは非中央集権なところもあるけれど、価値の保存や決済手段ってところもあるよね。そういうのはもうステーブルコインでいいじゃんって話はずっとされてる。
J.P.モルガンCEOのダイモンも、ビットコインは詐欺と言いつつ、クリプトカレンシーはすり寄ってきたわけだし。そう言う意味で、既存の仮想通貨にはフォローにもなりうるし、競合にもなる立場だね。
なるほど
そもそも、数年間で上位の通貨がコロコロ入れ替わってるんだよね。だから仮想通貨にとっていい話って言っても、今あるコインが生き残るのかどうか…ってずっと思ってる。
そういうこと言うから、PV伸びないんじゃないですか?
教室のすみでブツブツ言うタイプのオタクですか???
明るい話題を提供しろよ!!
信者に夢見させるようなこと言えよ!!!
ええ…さっきと言ってること逆やん…
まとめ
- 金融市場は世界的にも緩和的な金融政策を背景に続伸
- 国家非常事態宣言、ポイントはその後の支持率
- 年金ファンドのクリプト投資はまずは株式から
- J.P.Morganの仮想通貨は既存の通貨の競合にもなりうる
いい機会なので、ステーブルコインについて少し勉強しています。
読みたい人がいたら、簡単に記事にしようかと思います。
(疑問とかネタとかコメントください↓↓↓)
コメント
ステーブルコインについては「そういう物」的な認識しかないので是非お願いしたいです
あと最近文鳥の人が毒気がなさ過ぎるので再現度高めてください。
ステーブルコインの記事期待して待ってます!MUFGやMIZUHOのコインとの違いが知りたいです。(技術的な話ではなく、規模の大きいJPMがやるなら影響力が大きい的な)
ありがとうございます!ステーブルコインについても書きました。また感想お待ちしています。
なお文鳥の再現度は善処いたします…
どこもかしこもステーブルコインは作りたがってますが、強いステーブルコインはどんな基準が考えられますか?
匿名さん
強いステーブルコインの定義は難しくて、担保が必要な以上シェアを増やせばいいというわけにもいかないところが悩み所です。
ただ、発行者側としてビジネスモデルを考えると、永続的に信用が保てそうで、手数料や金利収入が持てる仕組みを作るのがいいと思います。
①流動性、②担保の仕組み、③独自のユーティリティ、④収入モデル などがしっかりしてるところが生き残ると想像しています。