マーケット全体の概観(インデックス一覧)
株式市場は、トランプさんのツイートやら米中交渉で騒がれてはいるけれど、実は3月末から見てもプラス。
三月末にFed(米国の中央銀行制度)は金融政策を緩和的にしてきたことや、4月発表の経済指標は一時要因だとしても市場予想よりよかったことが、ややリスク選好を加速させてきた形。(米GDP成長3.2%など)
足元はまた米中交渉で一喜一憂な要素に振らされている。
暴落ってほどじゃないね。
っていうか、去年はまじでやばかったんやな。
去年はFedが「機械的に利上げ(Auto Pilot)」なんて発言をしていたからね。ここ数年の緩和政策の裏で、米国の企業は負債調達をどんどんしていたので、経済全体がハイレバレッジ化している中、機械的な利上げは結構致命的なリスクを顕在化しうると思われていた。
現在は、「柔軟に、忍耐強く」というメッセージを出して、マーケットの混乱を抑制しようとしている。その分株価は支えられてるね。
さっそくわからん!
簡単にいうと、今年に入ってからはアメリカもお金ばらまいてんの。日本と同じように。
なるほど!!!!!
参考: 三菱UFJ国際アセットマネジメント 投資戦略マンスリー4月 投資戦略マンスリー5月
仮想通貨市場の動き
ビットコイン上昇の背景を考える
そんなわけで、この1ヶ月ちょっとビットコインの上昇の背景として噂されていたものについて、わからないなりに整理してみましょう。
アルゴの連鎖
エイプリルフール
レンディング貸出現物ニーズ
チャイナステーブルコイン
レアル建流入
マイニングヘッジ解消
ハト派化してのリスクオン色々仮説は見たけど、どれも納得できるほどじゃないのでわかりませんでした。https://t.co/ohH30MiHUE
— Shogun (@crypto_shogun) April 12, 2019
これは四月に一日で16%ビットコインが上昇した際のツイートですが、その後のブルームバーグのニュースやツイッターでの噂などによると、以下のような仮説がメディア等で上がっていました。
- アルゴリズムトレードの連鎖
- 金融緩和によるアセットクラスの移動(リバランス)
- エイプリルフール記事に反応した
- レアル建資金のビットコインへの流入
- ショーターのヘッジカバー(オプションのデルタヘッジ含む)
- レンディング需要、現物需要の増加
結論から言うと、5〜6の合わせ技では?と個人的には考えています。
アルゴリズムトレードの連鎖?
これは、ビットコインが動くたびにBloombergさんなんかで言うんですけど、正直あまり説明になってないから個人的には無視しています。
アルゴリズムトレードって何や?
ルールに沿ってコンピューターがトレードしてルもの。みんながBotって読んでるものの、総称と考えていいと思うよ。
アルゴリズムトレードといっても、リスクパリティみたいなものや、トレンドを読むテクニカルのもの、自然言語解析みたいなものから裁定取引組むものまであるので色々あります。ただありがちなのが、全部が一方向に向くような一斉リスクオン/リスクオフのマーケットを作りやすい(条件が似てる)ってところです。
去年のクリスマス近辺の株の暴落なんかは、それっぽい動きでした。しかし、今回の変動もアルゴの連鎖が原因なら、理屈的にはそのあとすぐ反転するものかなと思っています(ファンダメンタルズ的には変わってないので)。なので、四月以降ここまで上昇トレンド作ってる以上、アルゴは一旦忘れていいかなと思います。
金融緩和によるアセットクラスの移動(リバランス)
…まぁ、影響はあったんでしょうね。
…投げやりだ!!!!
一日で15%動く商品を、マクロ要因だけで説明するの無理があるから…
でも、マクロ要因が死んでたら結果としてビットコインも売られかねないので、そう言う意味でいい波に乗れたなと思ってます。
トランプおこで関税あげまくってたら、ビットコインどころじゃなかったかもしれないもんね。
エイプリルフール記事に反応した?
知らない。無視。
えぇ…
レアル建資金のビットコインへの流入?
この1カ月ビットコインを買ってたのは主にどこだろう?
— Shogun (@crypto_shogun) April 24, 2019
四月上昇時のアンケート結果は、何と米国を抑えて南米諸国が2位の29%!
南米!?
ブラジルでバブル来たのか!?!?
ベネズエラの難民がどうとかいってたね。
そういえば。
ブラジルに関しては、LocalBitcoinsの出来高は大して伸びてないので出来高捏造ってことでいいんじゃないかな。私はそう思う。 pic.twitter.com/BfgnYghE3Y
— ∵ @コインチェック (@btc_dakara) April 20, 2019
結論から言うと、これでいいんじゃないかなぁ…
(またつまらない方向で終わらせてしまった)
ブラジルレアル建の流入に関しては、Coinlibのマネーフローあたりでブラジルレアルが急増したのでそこで騒がれ出したのだと思います。一日で10万BTCがレアルで取引された!なんて話も上がってたようです。(レアル 10万BTC とかで検索するとわかります。)
ベネズエラで政情不安と決済不安が生じて、難民がレアルを経由してのBTCの実需が!みたいな話もありますが、結論から言うと投機性の高いブラジルでのアービトラージやFX出来高、及び出来高水増し?などで考えていいかなと思っています。
①ベネズエラ難民がレアル建でのビットコイン購入を行なった結果、多少価格の情報乖離があると言うロジックはわかるんですが、②ビットコイン全体に対して巨大なプレゼンスを持つほどに資金流入したかと言われるとええっ…て感じですね。
詳しい話としては、Coin Tokyo様のこちらの記事に記載されています。
ブラジルGrupo Bitcoin Banco傘下の仮想通貨取引所、3月の売上高が前月比14倍に-仮想通貨ニュース
ブラジルの仮想通貨取引所NegocieCoinsが取引量首位に、現地トレーダーはアービトラージを活用
日本のビットフライヤーFXがビットコインの出来高!って言うのもアレなところあるし。もはや僕らは何を信じればいいのだろうね…
ショーターのヘッジカバー(オプションのデルタヘッジ含む)
上がった時にヘッジカバーだって言われるのはいつものことなんですが、じゃあ誰が何を考えてヘッジしてたのかが重要になろうかと思います。
ビットコインのヘッジをしたい主体を簡単に分類すると、以下になると思います。
- マイニング業者
- 仮想通貨取引所
- ビットコインコア開発者及びサードパーティー開発者
- その他、初期投資家等の大量ホルダー
この内、1〜3については特に事業の安定性を考えながら、資金を運転する必要があります。2018年のビットコイン価格の下落及びユーザーの現象から、余剰資金の圧迫や資金効率の低下を受け、ヘッジニーズは高まったと考えられます。(さらに言うと、価格操作的なインセンティブにも繋がるかも…)
ビットコインが上がってイケイケなうちはいいけど、彼らだって企業だから運転資金がなければ資金調達しないといけない。
でも売り上げはビットコインの価格に依存するから、ある程度その変動率を抑えたり、コントロールするニーズが出てくるのでは。
マイナーがヘッジしたいのは何となくわかるけど、取引所も?
うん。そもそも収益が出来高に依存している取引所は、サーバーやセキュリティの費用、そして何より人件費としてコストがかかっていることを考えると、経営の安定を考える局面だったと思う。
顧客と相対でやって、在庫抱えてるところもあるだろうし、IEOやらでマーケットメイクするにも、相応のBTC持っちゃうだろうしね。
人件費か〜〜
…経営、安定化できない取引所はどうなるの?
…最近、Goxされたって言う取引所多いですね。
あっ…
あっ…
レンディング需要、現物需要の増加
上記とも関連しますが、大きなポイントだと思います。
レンディング(貸借取引)について強いニーズがあったと言う話が、3月ごろからちらほら聞こえていました。急騰前の三月末には、レンディング業者BlockFiにおいて、25BTC以上の預け入れに対しては既存の金利よりも適用金利を下げると言うアナウンスがありました(それだけ、参加者が増えていると言うこと)。実際にレンディング市場に参加するビジネスプレイヤーも増えて来ているようで、まだまだ市場形成期に過ぎないながら、成長を感じています。
結局、レンディングニーズは
- 長期保有も前提にした、潤沢な貸し手のニーズ
- 高いビジネスリスクを加味しても参加する、ノウハウのある業者
- デリバティブ等を通じた恒常的な借り手のニーズ
の三者がマッチしなくてはならないと言うことですので、これらが伸びていると言うことはビットコインマーケット全般に大きくプラスであると考えています。特に現状、投機需要が主たるビットコインにおいてマイナーや取引所、開発者が流動性のあるデリバティブマーケットを持つことはある意味必須だった思います。その意味では、価格が下がった割に順調にマーケットは拡張してるね、と言う印象でした。
同時に、フィデリティの機関投資家向けサービスやGlayscaleの投信、Bakktの進捗などもニュースとして来たのがこの4月から5月にかけての流れでした。これらを考えると、ビットコインコア開発、レンディングマーケット、決済、投信、カストディ、デリバティブなど、ビットコインの中心には基本的にアメリカがいると個人的には考えています。(これには、ポメラニアンさんと話す中で教わった部分があります)
Glayscaleの投信残高も順調に伸びているようですね。(下のグラフ、ちょっと縮尺が胡散臭いですが)
6/ By the end of April, Grayscale held 225,638 BTC or just about 1.3% of bitcoin’s circulating supply. pic.twitter.com/mqGknc0DBQ
— Larry Cermak (@lawmaster) May 13, 2019
こんな背景から、自分ではアメリカ中心に、その他アジアのビットコイン関連ベンチャーあたりが買い始めてたのが4月の急騰から今までの流れだと思っています。流れとしては、BlockFiあたりの現物拠出チャネル増加を受け、ビジネスとしてBTCを買いレンディング市場に出すプレイヤーも増加。先物ヘッジやオプション市場参加者も増加。その結果として、溜まった各種ヘッジショートに対して現物買いの踏み上げがしやすくなったんじゃないかなと。
(またしても自分の予想とは逆)
— Shogun (@crypto_shogun) April 24, 2019
そんなわけで結構安心して、ツイッターでも現物レンディング〜〜と言い続けた1ヶ月でした。基本的には、レンディングマーケットやデリバティブマーケットも含めて、「ビットコインの社会進出のため人生を使ってやろうって人間が増えるのは、そりゃ価格にプラスだろう」くらいシンプルに思っていましたし、実際買って来たのもそう言う方々だと思います。
特に既存金融とIT、暗号通貨の全てにスキルのある人材がサードパーティーとして集うのは、ビットコイン自身のブランド向上に繋がるのだろうなと思います。(まだまだ実験段階とは思いますが。)
ただし、足元8000ドル近辺の無駄なボラティリティの高まりと、アルトコインへの資金の行ったり来たりが観測されます。こうなってくるとまた参加者が変わって来てる感じがして、別の戦略を考えるべきかなと思っています。
長くなったので一旦終えます。ビットコインのブランド価値についてはこの間ビットコイナー反省会さんで坂井教授がされていた話が面白かったので書いてみたいのですが、また次回にします。
余談
更新が毎回深夜だから見過ごすんですが、通知とかつけられないですか?
…って言う話をいただいたのですが、すみません。スマブラが忙しくて実装できていません。
代わりとして、以下のアプリを使って、お気に入り登録頂くと、大変みやすくなります。
■コイン相場
正直、2019年1QのMVPは #俺のインデックス で異論無いかと。大手さんとか含めた日本の仮想通貨メディア/ブログの中では1番だと思います。 https://t.co/N9c7tCYOjt
— コイン相場・仮想通貨/暗号資産アプリ by ⛩️ (@coinjinja) March 31, 2019
みなさんご存知のオールインワン仮想通貨アプリさんですが、先月からなぜか当ブログをプッシュしてくれています。猛プッシュしてくれています。
なおその直後、当ブログは1ヶ月更新を放置しました。忙しくて。ごめんなさい。ほんとごめんなさい。スマブラがね?
と言うことで、更新通知を見落としがちな方は,、こちらからDLしてお気に入り登録してください。ついでになんか色々機能があります。全く使いこなせてません。いいのあったらむしろ教えてください。
なお後半明らかに説明をはしょって中身が難しくなったのは、早く記事終わらしてスマブラやりたいからです。ではまた次回!
コメント
いつも楽しく拝見させていただいております。
素朴な疑問ですが、アイキャッチよく動物が使われておりますが
経済と深い関わりがあるのでしょうか。
何か深い意味でもありげで夜もおちおち眠れません。(しょーぐんさん、ワンコ大好きですよね)